スウェーデンでヒットした映画です。
(ネタバレを知りたくない人は基本的に映画のカテゴリーは注意してくださいね)
「幸せなひとりぼっち」
主人公のオーヴェ(59才)は頑固で曲者キャラとして登場します。
割引き商品にいちゃもんを付けたり、路駐されてる自転車や、ゴミの分別にも厳しいチェックをし、
まるで町の風紀員のような気難しそうなキャラクターです。
見てる人にとっては「この主人公のおじいさんは嫌な人だな」と思う人もいらっしゃるかもしれません。
しかし映画はところどころ回想シーンが混ざり、いろいろなことが分かってきます
オーヴェは小さい頃に母親を亡くしており、
父親と二人の生活の中で青年になるのですが、
この父親とも職場の事故で死別してしまう事が分かってきたりします。
そんな流れで少し暗くて、お金もない青年時代に出会ったのが奥さん。
その奥さんとの出会いやエピソードはなかなかこの映画のキラキラとした素敵なところだったりします。
(頑固でとっつきにくいオーヴェとは想像がつかない、さわやかな好青年なのです)
そして現在のオーヴェはこの奥さんと死別して半年なのでした。
奥さんと死別した主人公
オーヴェが変わってしまったことを回想シーンによって視聴者は知ることになるのです。
こんないろいろなことを経験して来たのか・・・・と。
太陽のような存在だった奥さんとの死別、
それまで広がっていた世界が暗闇になり、他人に心を開けなくなってしまう。
回想シーンによって最初の「この人、嫌なおじいさんだな」というイメージがすっかり変わってくると思います。
しかし現実だと・・・・
現実では死別によって周囲に心を開けなくなっていたとしても、
どこかで死別によって物事をナナメに見るようになってしまっても、
その人がなぜそうなったのか死別エピソードなど伝わるはずもなく
表面に見えてるイメージのままで見られてしまいますね。
その人の背景までは伝わらないので
理解されないままのことが多いと思います。
このへんが難しさだと思います。
(この映画としては、オーヴェの過去を知らない陽気な家族が隣に引っ越してきたことで、
生活にどんどん広がりが生まれる展開。
死別のストーリーながらも暗い雰囲気はなく、でも主人公の背景はちゃんと伝わってくる。
とてもいい映画だと思いました)